EPSON GT-X970のフィルムスキャン画質
先日、久しぶりに2台のフィルムカメラ(ELIKON 535,Signet35)で撮影したのですが、
あらためて銀塩写真の良さを実感しました。
デジタルカメラと比較すると手間とコストは比べものにならない位かかりますが、
フィルムで撮影された写真にはそれを帳消しにしてしまう魅力があります。
最近ではフィルム自体の種類や生産量も極端に少なくなり、フィルム関連機器の需要も確実に減っています。
ニコンはフィルム専用スキャナーの生産を早々に止めてしまったので、
フィルムをスキャンする場合の選択肢が限られてきました。
現時点ではEPSONやCANONからフィルムをスキャンすることが出来るフラットベッドスキャナが販売されていますが、将来的にはどうなるか判りません。
そこで、現行機種の中で一番高画質と思われるEPSON GT-X970を購入することにしました。
GT-X970は2007年発売のEPSONのフラッグシップモデルで、一般的なモデルチェンジのサイクルはとっくに過ぎたロングセラースキャナです。
今後、後継機が発売されるのかどうかも判りませんし、現行販売されている内に確保しておこうと考えました。
幸いなことに今現在の販売価格は以前よりかなり安くなっています。
もし購入直後にGT-X970の後継機が発売されたとしても、今の値段なら後悔することはないでしょう。
というわけでAmazonからとても巨大な箱が届きました。
箱を開けてみるとやっぱり中身も大きい。
家電量販店の店頭で実物を見てはいたのですが、いざGT-X970を部屋に置いてみるとその大きさに圧倒されます。
並べてみると今まで大きいと感じていたGT-9700Fが小型スキャナに見えてしまいます。
今まで使っていたスキャナと比べてGT-X970のスキャン速度が断然速いのも大きな魅力です。
これでブローニーフィルムのスキャンも快適になります。
同梱されているソフトのバージョン等も発売時とは変わっているようで
今回購入したGT-X970にはPhotoshop Elements 10と
X-Rite社のプロファイル作成ソフトi1Profiler(i1 Scanner for Epson)がバンドルされていました。
GT-X970の蓋はとても分厚くて透明ガラス越しに駆動メカが見えます。
これはスキャナ下側の読み取り部と連動して蓋の中に内蔵された光源を移動させる仕組みです。
手前のスキャナのような一定範囲を照明する固定光源だと場所によって明るさにムラが出るからだそうです。
さっそく今まで使っていたEPSON GT-9700Fと今回導入した現行機種のEPSON GT-X970で同じネガを2400dpiでスキャンして比較してみました。
これは今から50年以上前に生産された銀塩カメラKodak Signet35で撮影した写真です。
Signet35については後日詳しくご紹介します。
↓まずは2001年発売のGT-9700Fでネガフィルムからスキャンした画像をご覧頂きます。
↓続いて今回購入したEPSON GT-X970で同じネガフィルムからスキャンした画像です。
手前の大木の木肌や奥の木々の葉の描写、画全体の立体感や遠近感、透明感等々
やはり現行機種のGT-X970の画質が断然優れています。
縮小前の画像を見るとさらに一目瞭然です。
GT-9700Fも発売当時はフラッグシップモデルでしたが、今さらながら技術の進歩を感じます。
35mmフルサイズのネガスキャンでこれだけ違うのでハーフサイズのネガスキャンではさらに画質に差が付くはずです。
トイカメラのスキャンならさほど問題ないとは思いますが、
まっとうなレンズを搭載したカメラで撮影したフィルムをスキャンする場合は
旧型のスキャナだとそのカメラがもっている本来の実力を再現出来ないことになります。
しかし、メーカーは単体スキャナの開発にはあまり意欲的でないように感じます。
フィルムをPCに取り込むことが出来るスキャナの販売が終了してしまうと、
この時代にあえてフィルムカメラを使う人の数もさらに減ることになります。
是非今後も現行品の販売継続もしくは新製品の開発を願うばかりです。
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