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ロシア製ハーフサイズカメラChaika-1

「ペンブックス ロシア・東欧デザイン」でご紹介したロシアカメラの一つ Chaika(チャイカ)-1。

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Chaika-1は通常のフィルムカメラの倍の枚数を撮影することができるハーフサイズカメラです。
まだフィルムが高価だった頃に流行した規格です。
36枚撮りのフィルムを入れると倍の72枚も撮影出来るということになりますが、
Chaikaの場合は下の写真を見ていただければ判るようにフィルムを巻き取るスプールの径がが太いので、
50枚程度撮影した時点でボディと干渉してしまいそれ以上巻けなくなってしまいます。
36枚撮りフィルムを使用することは出来ますが、24枚撮りを入れたのと同程度の枚数しか撮れません。
Chaikaの設計時には36枚撮りフィルムなど想定されていなかったためであり、仕方が無いことです。

chaika1_2013aug002

Chaika-1はピントは手動、絞りとシャッター速度もすべて自分で設定しなければならないフルマニュアルカメラです。
シャッタースピードは1/250、1/125、1/60、1/30、B(バルブ)。

レンズはIndustar-69 28mm f2.8、
35mmフルサイズ換算では約40mm相当となり画角的には使いやすいレンズです。

このChaika-1は40年以上前に製造されたカメラですが、フィルムを入れれば今でもちゃんと綺麗に写真を写すことが出来ます。
構造がシンプルな機械式のフィルムカメラならではの特徴でもあり大きな魅力でもあります。
フィルムが製造される限りは今後も現役で使うことができます。
もちろん機械的な故障はあるかと思いますが、電子式のデジタルカメラと比べると何十年経ったとしても修理出来る可能性は格段に高いのです。

ハーフサイズなのでフィルムの一コマが通常のカメラの半分の面積しかありません。
そのため私が使用している古いスキャナ(EPSON GT-9700F)では十分に高画質なスキャンは望めません。
それでもデジタルカメラとは少し趣の違うハーフサイズフィルムカメラの魅力を感じていただくことは出来るのではないかと思います。

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(Chaika-1 SCANNER:EPSON GT-9700F)

このところの急速なデジタルカメラ化の影響を受けて需要が減ったために、
フィルムを比較的高画質でスキャンできる現行機種のスキャナーはEPSON GT-X970くらいしか選択肢が無くなってきました。
GT-X970も発売されてからかなり経ちますが後継機が発売されるのかどうかも見えてこない状況です。
今のうちに確保しておくべきか悩ましいところですね。

ロシアカメラ・AGAT-18Kの補足情報

前回の記事でお知らせしました『Pen BOOKS ロシア・東欧デザイン』が発行されました。
この書籍の中で私はロシアカメラ8台の写真撮影とそれぞれのキャプション(説明文)を書かせていただきました。

agat18k_01
(この写真はPen BOOKSに掲載されたものではありません)

AGAT-18Kのキャプションでこのカメラの特徴として縦に二分割されると書いていますが、
誌面では触れられなかった部分の写真と補足説明をしておきます。

AGAT-18Kは縦に持って写真を撮るようにデザインされています。
フィルムを入れたり取り出す時は下の写真のようにボディの中央から二つに分割します。

agat18k_02

黄色いコダックの35mmフィルムとくらべるとAGAT-18Kがとてもコンパクトなカメラであることがお判りになると思います。
ハーフサイズカメラなので24枚撮りのフィルムを入れたら倍の48枚撮影することができます。
撮影枚数に余裕があるので、デジタルカメラ感覚で気軽にシャッターが切れるのが魅力です。

AGAT-18Kで撮影した写真を一枚載せておきます。

agat18k_photo_01
(AGAT-18K)

ピント合わせは目測による手動ですが、ピントが合えば予想以上にシャープな写りをします。
しっかりとした発色でとても魅力的なカメラです。
この写真ではいかにもトイカメラらしい周辺光量落ちが雰囲気を出しています。
随分前に撮った写真なので、これを機会にまたAGAT-18Kを使ってみようと思います。

AGAT-18Kで撮影したこの他の写真は
LOMO Qのハーフサイズカメラギャラリーで公開しています。
ぜひご覧下さい。

『Pen BOOKS ロシア・東欧デザイン』のお手伝いをさせて戴きました

雑誌『Pen』(阪急コミュニケーションズ刊)
で好評だった特集を増補して書籍化するPen BOOKSシリーズ21冊目
『Pen BOOKS ロシア・東欧デザイン』が8月1日に刊行されます。

penbooks

この書籍ではロシアカメラについても8ページにわたって言及されています。
ペン編集部様よりご依頼を受けて、私が所有するロシアカメラ
AGAT-18K、ZENIT 312m、LOMO-135M、SMENA 8M、SMENA 35、FED MICRON、ELIKON 535、CHAIKA-Iの写真撮影及びそれぞれのカメラのキャプション(説明文)を書かせていただきました。

特にAGAT-18Kにつきましては1ページいっぱいに私が撮影したカメラ本体の写真が載っています。
AGAT-18Kのデザインの魅力がこの本を見た方達に伝わると嬉しいのですが。

先に挙げたカメラリストにはHIDEHITOronicsやLOMO Qでも紹介していなかったカメラも含まれています。
実はブログの更新が長らく滞っていた間にも、ひっそりこっそりとロシアカメラが増殖していたのです。

これらのカメラにつきましては今後当ブログでスポットを当てて行きます。

一足早く献本されてきた『Pen BOOKS ロシア・東欧デザイン』を読んでいるところです。
カメラ以外にもポスター、コースター、器、照明、インテリア、自動車、航空機、ファッション、建築デザイン等々まで実に幅広くとりあげてあります。
また対象国もロシアだけでなくチェコ、スロバキア、ハンガリー、ポーランド、東ドイツ等々まで網羅されています。

北欧のデザインに関しては比較的多くの本が刊行されていますが、
ふだん目にする機会が少ないロシア・東欧デザインに新鮮な驚きを感じます。
資料としてもとても貴重な一冊かと思います。
とても内容が濃い本なので、じっくり楽しみながら読みたいと思います。

書店でこの本を見かけた時はぜひ手にとって見てみて下さい。

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